2018年12月12日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★建築図鑑61日本の駅事情を象徴「飯田橋駅」

地下鉄大江戸線飯田橋駅を見てきました。

 

大江戸線は東京の地下鉄では副都心線に次いで新しい路線です。

戦前から続く高度経済成長期に作られた路線はデザインや利便性を度外視しての突貫工事でのものが多かったですが、低成長期に作られたこれらの路線はデザイン性も重視されており、空間も広くなっているのものが多いです。

しかしそのやり方は内装をいじるとかパブリックアートを置くなどの上辺のものが多く、駅設計段階から建築家やデザイナー、芸術家が関わったものは少ないです。

その中でこの飯田橋駅は建物の構造に関わる(と思われる)部分に建築家が関わった数少ない例です。

最大の特徴は駅入り口にとりつく巨大なモニュメント。

設計は渡辺誠氏です。

青山製図学校でも紹介しました。

 

場所は飯田橋の高速道路も頭上を通る巨大な交差点から東に外れたところ。複数ある地下鉄入口の中でも最も端にあります。しかも405号線にも面しておらず(その上面した側にも入り口がある)、誰がここ使うんだ?と思う所です。

で、このモニュメント(?)、美しいかと言われると・・・う~ん。正直ビルに巨大なゴ〇ブリが取りついているようにしか見えません(;^ω^)

本人は葉っぱと花をイメージしたとのことですが、そんな華やかさは微塵も感じません

 

よく批判される水の都市・東京を高速道路でフタをした飯田橋の交差点のすぐ近く、東京のゴミゴミした場所を象徴する意味では場所にはあっているのですが・・・

緑のライトもあって怪しげな魅力はありますが・・・

楽しい気分になるかというと、まあ全くなりませんな(*ノωノ)

このモニュメントの真下には説明もあって、一応機能はあるようですが、要は地下深くにある地下鉄用の換気塔をちょっと見栄え良くしたという以上の意味はないと思われます。

入口の真上にも上記のモニュメントと連続したデザインの屋根があります。設計されたのは2000年とのことですが、世紀末的デザインを感じます。

 

もっとも渡辺氏の建築はみんなこんなのですが・・・

さて、階段を下りていくとプラットホームまでの階段の天井も渡辺氏がデザインしてます。

壁には点字で詩が書かれており・・・

天井はコンピュータで自動的にパターンを決められたというウェブフレームという骨組が走っています。

が、この階段、とにかく長いです。まあ大江戸線はどこも地下深いモグラ駅で、渡辺氏は単調な風景に変化をつけようとしたのかもしれませんが、やっぱり単調です。

ウェブフレームはプラットホーム階に着くと終り、同じく蛍光灯をデザインした通路になります。

 

この駅は日本建築学会賞を獲り、玄人筋には評判がいいですが、むしろニューヨークのグランドセントラル駅などと比較すると、日本の駅デザインの現状と限界が浮き彫りになった好例だと思います。

渡辺氏は与えられた条件で最高の仕事をしたと思いますが、駅は鉄道会社などそれに関わる人々がビジョンを共有しないと楽しい空間にはならないという好例だと思います。★

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