ANOMALY(天王洲アイル)の小谷元彦 Tulpa –Here is me;【 2019年4月20日(土) – 5月25日(土)】を見てきました。
小谷元彦さんは2010年からの個展「幽体の知覚」のインパクトが非常に強かったです。
独特過ぎる世界観、圧倒的なクオリティ、作品の多様さによって、今でも歴代展覧会ベスト10に挙げたい展覧会でした。
が、その後作品を見た記憶は殆どありません。あんな作風だから、新作がなかなかつくれないのでしょうか?唯一の例外が東京藝大で見た高校生時の作品。あれはあれですごく細かい作品でしたが(笑)
そんな小谷さんの新作展。エレベーターの出口前で既に意味不明の映像作品を見せられて、いやがうえにも期待感が高まります。
こちらもビデオ作品。ゴリラ同士が電話で会話するというやっぱり謎の作品。
モノリスに啓示を受けたのでしょうか?ゴリラの顔が一瞬小谷さんになります。
で、こちらがメインの会場。
アヤシゲな前進銀色の銅像が10体ほども立ち、さらに謎のノイズが聞こえます。
音の正体はコレ!人物像の各所にセットされている受話器から聞こえてきます。
音源は大病を患った小谷さん自身の心臓音だそうです。
人体や電話にとりついているバッタは顔がすべて人面に変換されています。これも小谷さん自身の顔を用いています。
人物像の多くはやはり病気がテーマになっているせいか、体の一部が欠損している人が多いです。
しかし単に欠損しているのではなく、それを補って余りある能力を持っているようにも見えます。
この人物は車いすに乗ていますが、頭には角が生え、全身からラッパのようなものが生えています。
車いすのタイヤもミョーな感じ。
もう一体の車いす像。
人体が縦に分割されています。
が、人体と関係ないものが混じってたり、体のパーツがダブってたり、やはり一筋縄ではいきません。
こちらは視覚を失った男でしょうか?
影からもう一体、同じ人物が這い出してきてきます。
バーチャルとリアル、二次元と三次元の境界線を行き来する、不思議な像です。
ロッククライミング(?)をする男。人体の欠損はないですが、背中に3本目の腕を背負っています。
顔が花弁みたいになった男。靴が脱げて独立して走り出しています。
巨大な人面昆虫を観察する男。デストピア的光景です。
その奥の空間では映画を撮るゴリラみたいなセットも。
病を経て、より表現の幅を広げて帰ってきたようです。名和さんと同様、毎回作風も変わるので注目していきたい作家さんです。★★★
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