2018年9月26日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★★現代版モネの多士済々「モネ それからの100年」

横浜美術館モネ それからの100年【2018年7/14(土) 〜 9/24(月・休)】を見てきました。

国内のモネコレクションをかき集めて一堂に展示するだけでなく、モネの影響を受けた作家の作品を並行して返事することで、モネと現代美術の連続性を体感しようという企画です。

 

ウィリアム・デ・クーニング「風景の中の女」

デ・クーニングはアメリカでポロックに続いて有名な抽象画家です。

一見モネとは何の共通性もないようですが、色のみに注目して描いている点が共通しているそうです。

ウィリアム・デ・クーニング「水」

刻一刻と変化し続ける水を表現した作品。これもモネが描いた水と共通点があります。

 

(左から)ルイ・カーヌ「彩られた空気」「WORK8」

同じく描くことができない「影」を描くことに挑戦したのがルイ・カーヌです。

光をよく反射する金網の上に等価性の高い絵具を塗り付けることで、壁にカラフルな影ができます。今回の展示作品の中でもかなりインパクトがありました。

 

湯浅克俊「quadrichromie」

同じく物の見え方に独特の感性を持つのが湯浅さんです。

版画を赤、緑、青、黒で刷り重ねて製作されています。画面下の抽象的なイメージがモネっぽいですが、実際には単なる河らしいです。風景が写り込む水面を表現している点もモネと共通します。

 

水野勝規「reflection」「photon」

モネの世界観をストレートに引き継ぐのが水野さんです。

水面を写した動画で、光が画面いっぱいに満ちたり、水面の色が青、緑、黄と劇的に変わったりします。しかし実際は貯水池などの水面を長時間映し、印象的なカットだけを切り貼りして製作されています。

水野勝規「holography」

こちらは葉が透けたり、水面の反射がなくなって底が見えたりしてさらに劇的な変化が起きます。コイも泳いでいます。岐阜県の貯水池を季節を跨いで撮影、編集しています。

 

(左から)福田美蘭「睡蓮の池」「睡蓮の池 朝」

今回の展示のために制作された福田さんの作品は目玉展示の一つです。高層ビル上のレストランから窓越しに外を見た風景を描いているようです。

ガラスに映る室内のテーブルを睡蓮に見立てており、しかも時間によって風景が変化していくのも表現しています。

展覧会の会場にもふさわしい「都市のモネ」といえます。

 

小野耕石「波絵」

最後は見る角度によって色味が劇的に変化する小野さんの作品です。

パーツを並べ替えることによっても別の絵にすることができます。製作にあたって手間が非常にかかることもモネと共通します。

 

単体で展示されていてもよく分からず通り過ぎてしまう絵を、モネを絡めて分かりやすく解説されているのは非常に良かったと思います。★★★

コメント一覧

★★オマージュの果てに「モネ それからの100年展に寄せて 」 – 博司のナンコレ美術体験2018年8月14日 7:08 AM / 返信

[…] 企画展「モネ それからの100年」と連続しており、同じくモネの影響を感じる作品を展示しています。加えて他作品のオマージュそのものをもテーマにしています。 […]

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