2018年8月21日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

建築図鑑46 まさかのフジモリ博物館?「神長官守矢史料館」

長野県茅野市の神長官守矢史料館 に行ってきました。

設計は藤森照信氏。長野県(のこの史料館のすぐ近く)出身でもともとは建築史家、つまり建築を研究する人です。しかし一般向けの建築ガイドブックを多数執筆し人気を博し、本建築において建築家デビュー。藤森氏は守矢家の子女と同級生でした。

近くに伊東豊雄氏の「下諏訪町立諏訪湖博物館・赤彦記念館」内井昭蔵氏のサンリツ服部美術館、古谷誠章氏の茅野市民館/茅野市美術館などもあり、ちょっとした建築巡りができます。

藤森氏のこれまでの研究が生かされているのか、歴史的にこれまで登場したことがないような外観をしています。

特に焼き板は今後の藤森建築にも多用されるアイコンになりました。

屋根を貫く自然樹の柱も何度も使われており、このデビュー作で既に基礎はできていたといえそうです。しかしこの柱は図面引きの際手が滑ったのがもとだとか。

また屋根は上諏訪産の鉄平石というものを使っています。

ガラスは手吹きガラスで、気泡が入っています。近くで見ると表面が波打ってます。

スリッパに履き替えて入ります。玄関らしい空間もない素朴な作りです。

内観。2階は収蔵庫。階段の踏面は奥に行くほど幅が狭くなっています。このことによって部屋を実際よりも奥行きがあるように見せかけています。

階段が途中で切れていますが、写真右上の扉が電動で倒れてきて階段になる仕組みです。見た目よりもハイテク!

ロビーのインパクトのある展示は「御頭祭」の再現です。

元々は獣を狩ってお供えしてましたが、現在は剥製を用いています。

ちなみに奥の古文書の展示室は撮影禁止です。

会議室(?)もご覧の仕上げです。こんな外観ですが、実際は鉄筋コンクリート造らしいです。

足元に素材も置かれていました。水戸芸術館の展示でもこんなことしてましたね。

 

さてこの史料館のある丘をさらに登っていくと、藤森氏の設計した茶室が3つも並んでいます。さながらここはフジモリ美術館と化しています。

もっとも古いのがこの「高過庵」。見晴らしはかなりよさそうです。

海外でもよく紹介されるフジモリ氏のぶっとび建築の代表作。

さらに過激化したのが「空飛ぶ泥船」。妄想が現実化してしまったような建築です。

最新作の自作パロディ「低過庵」。屋根がスライドして開くナゾ設計。

茶室部分ものぞけます。

 

ひっそりとしており、全く観光地化してる様子もなかったですが、これはフジモリファンには非常にオイシイ物件。入場料も良心的だし、諏訪湖に行く際は是非寄ってほしいです。★★

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