東京藝術大学美術館(上野)の「Pⁿ—Powers of PLAY—」【2018年3月21日(水・祝)〜 4月8日(日)】を見てきました。
藝大の学生が主体となって行われた展覧会です。案内ボードもグラフィティに塗りつぶされています。
テーマは身体と、作品のもとになる物質について考察する、みたいな感じです。
展覧会は資生堂ギャラリーでも展示された菅さんの作品で、美術館に迷い込むところから始まります。
会場いっぱいに広がる大型インスタレーションはスパイラルで展示された江頭誠さんの作品。人物だけでなく、脇の監視員用の椅子やコート掛けまで花柄の絨毯が侵食しています。
失敗作のキャンパス同士を縫い合わせる水田寛さん。
野外にも作品が展示されています。一点目はシルクスクリーンの刷り重ねにより見る角度によって色が変化する小野耕石さんの作品。アートフロントギャラリーなどでの展示では屋内でしたが、ここでは雨ざらしになり色が剥げたようになっています。
もう一点の野外作品が小畑さんの木工作品です。ブレイクダンサーでもある自身の身体表現を作品化してますが、ここでは山門を守る仁王像のイメージで展示されています。
2階はより身体と物体の関係性を強く意識させられます。戸田さんはパソコン上で作成した画像をあえて絵画として再制作しています。
shana moultonさんのキテレツな作品。2017年のインフラ展で出品されました。女性が部屋から脱出しようと悪戦苦闘するのですが、昔のflashのようなチープなエフェクトが違和感を増幅します。
作品に色んな美容グッズが登場するのが特徴ですが、この作品はダノンのヨーグルトが登場します。ヨーグルトのCMのようにも見えますが、もはやストーリーは消滅しています。
小畑さんの作品の足元にはダンス用のマットが敷かれています。
壁いっぱいに描かれたグラフィティ作品。作家はグラフィティは作品である前に身体的行動だといいます。
そのため足元にはスプレー缶や飲んでたお茶がそのまま置かれています。またグラフィティは本来公共の場にあるので、その上に何を描かれてもいいルールです。なので子供の落書きが落書きしています。展覧会終了後は塗りつぶされます。
ここ2,3年の話題作を集めながら新体制と物質を強く意識させられるキュレーションが行われています。卒業後も刺激的な展覧会をやってくれそうです。★★★
「Pⁿ—Powers of PLAY—」
東京藝術大学大学美術館陳列館
2018年3月21日(水・祝)〜 4月8日(日)[計17日間]
10:00 – 18:00(入場は17:30まで)[月曜休館]
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