今回は多摩動物公園 昆虫生態園に注目してみたいと思います。
設計は日本有数の大型設計事務所である日本設計です。写真+イラスト本、「ポストモダン建築巡礼」でも数々の奇怪な建築とともに本建物も紹介されてました。
建物を見下ろす場所はないのですが、形状は羽を広げた昆虫を表します。
あらゆる形態を建築に取り込むのがポストモダン建築なので、これもその好例ですが、中に入っても建物の形を感じる部分はなく、そういった意味では期待外れでした。
ただメインの大温室は期待以上です。
この建物、急斜面をうまく利用して大温室を形成しており、外観より中は広いです。
年中蝶が乱舞しており、飼育員の方々の苦労が偲ばれます。
不自然なまでの蝶の密度で、正直少々不気味です。
数が多いので、餌についても色々工夫されているようです。
温室以外では入り口のレリーフ彫刻が俊逸。
梵寿綱さんの仕事もしている上哲男さんという人の作品です。チビっ子は当然素通りですが(笑)
建物の両ウイング部分は蝶以外の色んな昆虫を展示。勉強にはなりますが、地味です。トノサマバッタの一生を全部展示してるのが面白いぐらいか。
昆虫生態園の正面には昆虫園本館があります。こちらはトンボの形をしてますが、T字型の直線状の建物にガラスブロックの円柱が2つ付く(写真右)だけで、ますます抽象化が進んでいます。
こちらはハキリアリの大型展示が面白いです。
また多摩動物公園自体も高低差の多い山の中に檻が点在しており、広くて見るのは時間がかかりますが、面白い展示が多いです。
僕のお気に入りはモグラ館。小屋内を縦横無尽に走る建築的な飼育ケースも面白いですが・・・
「モグラ先輩」のキャラがいい感じです(笑)
都心からは結構遠いですが、発掘しがいのある展示が多く、見ごたえがあります。★★