東京都渋谷区のTERRAZZA を見てきました。
設計者は竹山聖氏。
この通りはキラー通りと呼ばれ、ここより北の方には東孝光氏の塔の家、マリオ・ボッタのワタリウム美術館などもあり、建築的に見どころの多い建物が多いです。
突き出た3本の塔とその奥の円筒・・・
内部の斜めに傾いた壁といい、威圧感たっぷりの巨大建築です。
外から見るだけではどんな建物かイマイチ伺い知れませんが、アクソメを見ると、
・土地が三角形
・上階の円筒が野外劇場
であることが分かります。
当初はエレベーターである3つの柱は夜は天空に向かってサーチライトが伸びていたそうです。
サーチライトの建築といえば、ヒトラーお抱えの建築家、アルベルト・シュペーアのナチ党党大会の会場演出を思い出します。
シュペーアはニュルンベルクの党大会の会場で、天空に向かって150本のサーチライトを照射し、光の大聖堂を演出しました。
また上部の野外劇場は当初は一般に開放されていたそうです。
設計も当初の入居者のフィットネスクラブやカーディーラー、レストランに合わせたもの。
しかしビルのオーナーが変わり、警備員が立って登れなくなりました。
横断幕や改装によって当初のデザインが失われたD-HOTEL OSAKAやOXY乃木坂よりは外観がきれいに保たれているだけましかもしれませんが、これも設計者の当初の意図が失われた建築の一つといえそうです。
どうも竹山氏の作品はこういった例が多く感じます。
氏の先輩筋の安藤忠雄氏もコンクリート打ちっぱなしの建築が有名ですが、こちらはコンセプトが保たれているものが多いです。
これは安藤氏と竹山氏の発言力の違いや、商業建築と公共建築の違いなどもあるでしょうが、僕には長く建物を残そうとする努力の違いが最大の原因に感じます。★