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もっと団地を「ザ・ホード 死霊の大群」

映画「ザ・ホード 死霊の大群」を見ました。

フランスのゾンビ映画にして、フランスの団地が出ることから団地映画として団地好きユニット「団地団」の本で紹介されていました。

 

ストーリーは外国人ギャングに仲間を殺されたフランス人警官たちが、彼らが根城としているスラム団地に殴り込みに行きます。

しかし同時に何故かゾンビが団地の内外に大量発生。警官とギャングは協力して団地からの脱出を図ります。

 

ギャングに占拠された団地は荒れ放題で、管理人も「フランスとは思えない」と発言。他にも警官が「フランス魂を見せてやれ」とあおったり・・・

ギャングのボスが「俺はナイジェリア人だ」と叫びながらゾンビを撲殺したり、安っぽいナショナリズムが満載です。

 

肝心の団地映画としての出来は「しとやかな獣」の足下にも及びません。

ランドスケープも屋上からパリの惨状を見下ろすワンカットと、

ラストのカットぐらい。ベランダがちょっとコルビジェ風?

 

あとちょっと面白いのはらせん階段のシーンぐらいです。
監督はもっと団地に興味を持つべきです。
もっとも日本の「団地妻」以降の映画と同様、団地が良くない場所という認識だけはあるようですが・・・
一旦は手を組む彼らですが、警官同士、ギャング同士で内輪もめを始めるのはロメロ以来のゾンビ映画のお約束
残念ながらゾンビ映画としても団地映画としても中途半端な出来でした。

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