ガレリア・グラフィカ(銀座)の藤原泰佑展【2018.2.5(月)-2.17(日)】を見てきました。
藤原さんは2017年のO美術館開催の「首都高展」にも出してた作家さんです。
会場には大小の街の鳥観図が多数飾られています。
大画面の鳥観図は山口晃さんが有名ですが、違いとしては現実の地方都市を描いていることと、やたら看板を強調していることです。
藤原さんは山形出身とのことですが、今回出品されているのは山形、群馬、東京のもの。鳥観図でありながら巨大なランドマークタワーは描かれないか、あってもあまり印象に残りません。印象に残るのはとにかく看板です。
地方都市にはお城やお寺、仏像や温泉など地元自慢の観光名所があると思います。しかしそれらは全国津々浦々どこにでもあるもので、お互いの違いはマニアにしか分かりません。ではどこに都市の特色が出るかというと「群馬銀行」のように即物的な看板に他ならないのです。
藤原さんの面白いところは地域の特徴の出ている看板だけでなく、コンビニやファーストフードのような全国どこでも見れるものも平等に描いている点です。これは藤原さんが観察したものをそのまま正直に描いているためだと思われます。色々ケチはつけても、全国チェーンの看板は目立つし、デザインも優れたものが多いのです。
一番大きな作品は戦国時代の合戦屏風のような迫力を持っています。そういえば合戦屏風も武将の旗印を強調して描いてありますが、現代では代わりに看板で名乗りを上げるというわけでしょうか?
かつて「エコノミックアニマル」といわれた日本独特の新かを遂げた看板建築。もっと注目されてもいいと思います。