国立新美術館(六本木)の「彼女と。」を見てきました。
エルメスが主宰している展覧会です。エルメスといえば銀座のメゾン・エルメスで独特の企画展の数々を行っており、プラダやルイ・ヴィトンよりアートに関しては積極的に取り組んでいる印象です。
今回はそれら企画展をもさらに上回る個性的な企画です。国立新美術館の巨大な企画展示室を生かして、これを映画館や映画スタジオに見立て、観客はその撮影に関わるという趣向です。
入場は予約制です。入場時に電子スタンプが押されます。
中では通行パスをもらいます。エキストラと出演者役の2種類があります。
会場はまず映画館のロビーのような空間があり、そのあと映画館、映画のセット、出演者の控室といったように続きます。
映画のストーリーは一般から選ばれた「作家」が小説の題材にした「彼女」を追いかけるというもの。
映画館の後は複数のセットが続きます。
ここでは「彼女」の友人、恋人、隣人に「彼女」のことをインタヴューするという展開です。
そのあとは冒頭の映画で使われたセットと衣装が展示されている空間になります。
セットの裏側にも回れるのが面白かったです。
背景の海と空が本物らしく見えるようライトが当てられています。
こちらも映画のセットです。
役者の控室。衣装はエルメスのブランドのアピールでしょうか?
そのあともいくつかセットが続き、「彼女」の部屋で物語は終了します。
映画の撮影や作品世界の体験という意味ではお遊び程度のものでした。しかし美術館という空間を使って今までにない全く新しい企画を行ったという意味では注目すべきものでした。しかも予約制とはいえ無料というのも大きいです。