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新宿に残る軍の遺産★★建築図鑑131「第三スカイビル」

第三スカイビルを見てきました。

新宿区の第三スカイビルを見てきました。

 

 

設計は渡邊洋治氏。

陸軍出身で、船舶を設計する部門で働いていました。

奇抜なコンペ応募案で有名な人物でしたが、現在残っている実作は非常に少ないようです。

 

 

その数少ない実作が新宿で見れるとは大変貴重です。

現在は周囲にビルが立ち並び、正面以外はビルに近づけないこと、改修で色がグレーからグリーンに変わってしまったことを差し引いても、その奇抜なスタイルは健在です。

正面から見ると、箱が折り重なるような特異なスタイルがよく分かります。

普通に部屋を並べるのに対して随分手間がかかりそうですが、どんなメリットがあるのでしょうか?

真正面から。屋上まで続く武骨なはしごがかっこいいです。

最大の特徴は建物頂部のデザイン。

曲線の多用や丸窓、アンテナを強調した機械っぽさは武骨な軍艦を思い浮かべます。通称軍艦ビルの由来です。

よく見るとグリーンの部屋の部分も均等に並んだ小さな正方形の窓などは軍艦、というより頑丈な軍施設っぽいです。

 

現在は女性専用のマンションになっており、中に入ることはできません。

外から1階部分を見ると、その特異な外観が内部の動線にも影響しているのが分かります。

狭い廊下はフェリーっぽい?

 

ちなみに入り口前には思いっきり落書きが。

歌舞伎町や新大久保が間直にある立地上、治安はよくなさそうです。

 

ネームプレート。色はこんなのですが、軍艦を前面にアピールしているようです。

1970年竣工とのことですが、設計がしっかりしていたせいか、まだまだ使えそう。

日本の特異な建築の例として保存していってほしいです。★★

コメント一覧

建築図鑑150エセの魅力★「林原第5ビル」 – 博司のナンコレ美術体験2020年7月25日 7:18 PM / 返信

[…] 歌舞伎町と言えば竹山実氏の一番館や渡邊洋治氏の第三スカイビルなど […]

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