• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★異様なまでの充実ぶり「第21回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」

 

国立新美術館(六本木)の「第21回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」【2018年6月13日(水)~24日(日) 】を見てきました。

 

文化庁が優れたアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの作品を顕彰する展覧会です。

 

企画展示室はいつもと違い、かなり細かく区切られています。

 

 

Haythem ZAKARIA 「Interstices / Opus I – Opus II

入ってすぐ見れるのがアート部門の大賞作品。海と山の映像にモノリスのようなものが挿入された、映像と音の作品です。「2001年宇宙の旅」を髣髴させる精神性の高い作品です。

 

菅野 創/やんツー「アバターズ」

以前も同じ会場で展示されていたやんツーの作品。アバターがより大型、多様化しています。車は当然、壁際のパソコンにも入れるそうです。

 

Gary SETZER 「Panderer (Seventeen Seconds)」

「動画作品は平均17秒しか見てもらえない」という検証結果に対応した、17秒で終わる作品。現実とのギャップの大きさを実感できます。とはいえやはり作る側に問題があると思いますが・・・

 

会場の中心には功労賞部門として田宮 俊作竹内 オサムが検証されていました。

ボックスアートもプラモのパーツもかっこいいです。並べてみるだけでスタイリッシュに見えるのは、初期から完成されたデザイン性を持っていたせいでしょう。

 

上野顕太郎「夜の眼は千でございます」

マンガ部門からはパロディ漫画の上野氏が受賞。1998年よりの長期連載作品ですが、単行本がやたら分厚いうえにタイトルも毎回変わるのであまり存在感がありません。

上野顕太郎「5万人節」

月刊誌連載なのに一コマを半年かけて描くなど、そのあまりにも独自性の強い活動が認められてた形です。

上野顕太郎「明日のジョー」

表紙は「明日のジョー」を落語化したもの。このように神羅万象あらゆるものがネタになります。

 

片渕 須直「この世界の片隅に」

アニメ作品も見どころが多かったです。お馴染みの「この世界の片隅に」が大賞です。当時の風物の再現に異様なまでの執念を見せており、街並みだけでなく天候まで再現されているそうです。

 

「小松ばね工業 × DJ TASAKA「KOMATSU BANE」

エンタメ部門では大田区の街工場を音源としたDJ作品が優秀賞。

ジャケットもYMOみたいでかっこいいです。

 

「Qoobo」

他、尻尾付きのクッションが面白かったです。

 

無料展ですが異様なぶりの充実ぶりです。また見るのに時間がかかる作品が多いので余裕を持って行った方がいいかも★★

 

コメント一覧

★腕時計の中の宇宙「THE FLOW OF TIME 東京展」 – 博司のナンコレ美術体験2018年10月29日 7:09 AM / 返信

[…] DJ TASAKAもそうですが、日本のモノづくりを伝える展示は色々発見があっていいですね。★ […]

★「日/中/韓パフォーマンスとメディア 70’s – 90’s」 – 博司のナンコレ美術体験2018年11月4日 11:13 AM / 返信

[…] 美術館で映像作品が見てもらえる平均時間は17秒だそうですが、これらの作品はその平均値を大きく引き下げるものとなるでしょう。 […]

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