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建築図鑑116 黒の多様性「国立文楽劇場」

大阪市中央区日本橋の国立文楽劇場を見てきました。

設計は黒川紀章さん。

黒川さんは国家レベルの建築を多く手掛けています。同じ大阪に国立民族学博物館大阪国際会議場がありますし、東京には国立新美術館があります。

海外でも空港や都市計画を手掛け、大きな建築を得意とします。

本建築もその一つで、劇場の他に展示室や図書館を備えていますが、いかんせん非常に地味。

高速の直近で鑑賞ポイントがないのも要因の一つですが・・・

建物の外観が全面、黒のタイルのみでおおわれており、デザインらしきものがほとんどないせいです。

黒自体は黒川氏がよく使う色で、国立民族学博物館福岡銀行でも使われています。

これは利休ねずみという黒川氏の独自の研究に基づく理論であり、ただの黒のように見えて緑や青が混ざって見える中間色のことを言います。

ただ他の建築がメタボリズムとか、中間領域だとか他の理論のミックスなのに対し、本建築はひたすら利休ねずみ

タイル以外の部分も黒一色で、形状も単なる箱型。さぞかし建設費が安かったのではないでしょうか?

 

ただ黒川氏のかいせつによるとさりげに色々デザインされているとのこと。

まず唯一のデザインに見える正面の文楽と書かれたサイン櫓太鼓をイメージしたとのこと。

また建物は単純な箱に思えましたが、正面の壁は緩くカーヴを描いています。

縦に付いたルーバーのような細い金属の柱は竹矢来のイメージ。

内装の天井や床の格子も伝統的な文様をイメージしています。

黒川さんは「歴史的なデザインを最新技術に置き換えた」としてますが・・・やはり素人目には難しすぎます。

もっとも文楽を見に来るような人はこれくらいの抑えたデザインがいいのかもしれませんが・・・

 

しょうがないのでひたすらタイルを眺めてましたが、なるほど確かに光の反射や映り込みで黒とは思えないような色に変化しています。

たまにはこんな建築もありかも。

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