• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★距離を思う展覧会「近くへの遠回り―日本・キューバ現代美術展」

スパイラル・ガーデン(青山)の「近くへの遠回り―日本・キューバ現代美術展」【2018年6月6日(水曜日)~17日(日曜日)】を見てきました。

日本とキューバのアーティスト、キュレーターの合同企画で、キューバでの展示を再構成して日本でも展示してます。

持田敦子「距離、その落下、その痕跡について」

距離」をテーマにしたという展覧会で、巨大なホールに鎮座するのは建築の仮設足場を使った巨大な階段です。

作家の持田さんは建築材を用いて場の空気を一変させる作品が持ち味です。

キューバと日本でそれぞれ現地の材料、職人を用いているので実際には別の作品です。

キューバでは実際に2点間を結ぶ階段のようですが、日本のものはただ空中に向かうだけの階段です。しかしその分赤瀬川原平さんのいう「純粋階段」の性格が強調され、仮設解散そのものの美しさが際立って見えます。

2段手すりや単菅カバーなど、キューバに比べて日本の過剰なまでの安全意識の高さも面白いです。

高嶺格「歓迎されざる者-カリブ編」

階段の足元にある巨大な船は高嶺さんの作品です。

カラフルなTシャツには、キューバからアメリカに密入国するための木造船の表面をプリントしています。

手作り木造船には芝刈り機のエンジンなどが使われ、かなり危険な船旅だったようです。

岩崎貴宏「寓話のような」

他、岩崎さんはいつもの糸をほぐして作ったクレーンに加えて、現地で入手したと思しき空き缶を用いた作品でした。

本のタイトルもキューバの立場を思わせるものが多かったです。

毛利悠子「シロクマと感光紙」

毛利さんは通路の両脇に空間インスタレーションを展開。このあたりはいつも通りかと。

 

予想外に大物アーティストの大規模作品が多くて楽しめました。★

 

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