天王洲アイルの URANOで開催中の「岩崎貴宏 ひかりは星からできている」(2017年10月21日 – 12月22日)を見てきました。

岩崎さんは本のしおりや歯ブラシから鉄塔が立ち上がる作品で有名です。黒部市美術館小山市立車屋美術館など小さな美術館で過去に個展をやりましたが、今年、ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表作家に選ばれて、一気にトップアーティストに仲間入りしました。最近では森美術館でも個展やってましたね。

ギャラリーの入り口は完全に目張りされていて、一見閉廊しているのかと思いました。

中に入ると黒一色の世界です。

 

真ん中に置かれた作品は、廃材のみを使った大型インスタレーション。海面はビニール袋、船はコンビニ弁当のトレーです。

随分奇妙な形の船に見えますが、現実にもこういうのありますね。事実は小説より奇なり、です。

地球深部探査船「ちきゅう」

手前には黒く塗られたマクドナルドのドリンクのフタ、ヘアカラー、輪ゴム、洗剤の入れ物などが無造作に散らばっています。東日本大震災を思わせますが、「ゴジラ対ヘドラ」に出てくるようなタールの海にも見えますし、純粋に広告性を消した工業製品の美しさを提示したようにも見えます。

岩崎さんのトレードマークの鉄塔は美しいですが、生き物の住めなくなった海を人工物のみが漂流する、みたいな見立てが思い浮かび、寂しい雰囲気です。

 

その横はこの部屋で唯一色を使った作品です。

東京タワーはパラボナアンテナも精密に再現されています。コントラストを強調した色合いで、「らしさ」が強調されます。

足元の紐は夜の高速道路の写真などでよく見られるアレですね。山の部分はウールが光に反射してかっこいいです。

東雲ジャンクション

 

壁の額装?された作品。奥行きはほとんどないのですが、遠近法と手前の電線の効果で、ちゃんと奥行きがかなり大げさに表現されています。

超細かい作り込みです。鉄塔ってじっくり見たことなかったですが、かなり個性(?)がありますね。

電線も複数の種類の糸を使って表現されています。

じっくり見ていると「キングコング対ゴジラ」や、それを元ネタにした「新世紀エヴァンゲリオン」を思い出しました。

キングコング対ゴジラ

こちらの黒い作品は一見トーマス・ルフ的な宇宙アートかと思いきや・・・

よく見ると色んな企業のロゴになっています。同じようなことは福田美蘭さんがやってますが、あれから企業も随分入れ替わりましたね・・・

別室の作品です。旧作かと思いましたが、今回の出品作は全部新作みたいです。

知識の塔の上にクレーンを建て、さらに塔を築く。東京でも毎日見る、都市の見立てですね。

セレクトされている本は都市や日本思想に関する本が多いです。岩崎さんはこれらでビエンナーレに向けて勉強されたんでしょうか?

 

空間の使い方が面白く、岩崎さんの新しい展開を感じる展覧会でした。ナンコレ度★★