2019年4月18日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

建築図鑑110★弱い素材を生かす「那須歴史探訪館」

栃木県那須郡の那須歴史探訪館に行ってきました。

設計者は隈研吾氏。近くのストーンプラザも彼の設計。同じく隈氏設計の県内の宝積寺駅、馬頭広重美術館は一日で回れます。

場所は昔地元の豪族の芦野城があった山のふもとです。那須は源平合戦で活躍した那須与一松尾芭蕉ゆかりの地であり、それらの歴史や地元の自然を紹介する施設です。

馬頭広重美術館やすぐ近くのストーンプラザは隈氏の建築として大変有名ですが、本建築は知名度がはるかに劣ります。木や石といった分かりやすいキャラがないので当然といえば当然ですが・・・

取り合えず丘の上にあるので見晴らしはいいです。

ずいぶん変わった自動ドアだと思って入ると・・・

風除室が総障子張りになってる!

地元の鳥山和紙を使っています。

これは面白い空間です。

展示室はワンルームのシンプルな構成。馬頭広重美術館と形は似ています。

ただ馬頭が建物の後ろ半分を収蔵庫にしているのに対して、那須は収蔵庫や事務室、トイレを建物真ん中に集めて、周辺をすべて展示室として開放しています。

そのため極めて開放的な空間が実現しています。

展示壁は光を遮る障子の役割を兼ねており、自由に左右に動かせます。

これにより極めて簡単にレイアウトの変更と採光を変化させることができます。

同じく稼働壁です。

こちらはアルミエキスパンドメタルに藁を左官するという久住章氏の技によって成立しています。

他にも床は芦野石、椅子に使われているのは木の繊維とセメントを混ぜた木毛セメント・・・

探訪館の前の御殿山から採取した藁を用いたパーテーションなど、地元素材を使った遊びが随所に見られます。

派手さはないですが、隈氏の言う開かれ、かつ守られている空間への挑戦が伺える小品です。

また負ける建築という著書もある隈氏の弱い素材を生かすという手法も色々見ることができます。★

 

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