栃木県那須郡のストーンプラザに行ってきました。
設計者は隈研吾氏。彼が90年から2000年代初頭にかけて作った一連の地方建築の一つです。
本建築は隈氏の建築の中でも異色の存在です。
館内の説明文によると、「古い石蔵を改造して石の魅力を伝える施設を作って欲しい」「予算はほとんどない」「しかし石を加工する石工さんはいくら使ってもいい」という異例の依頼を受けたそうです。
なのでこの建築は石を使ったありとあらゆる表現が実験的に取り入れられています。
このように単なる擁壁でも表面に色々模様をつけたり、色のグラデーションで並べたり、芸が非常に細かいです。
小~中規模の美術館ですが、竣工に4年もかかったそうです。
構成は昔からの石蔵3つと増築の棟からなります。
池を石の橋で行ったり来たりしながら回ります。
ショップ。様々な石グッズが手に入ります。
トイレも石製。結構清潔感があります。
非常に珍しい石のルーバー。
メインの一番大きな石蔵。隈氏が他の建築で用いた石の表現を紹介しています。
東京農業大学「食と農」の博物館で用いた石のルーバー。
LAKE HOUSEで用いた壁。
カードのようなものはイタリアのSTONE CARD CASTLE。
面白かったのはストーンルーフ長野という施設の石の屋根。
以外と機能的かも?
ピアノのステージも遠目には木製ですが、石です。
外の水を一部引き込んでいるギャラリー。既存の石蔵はがっしりしてますが、増築棟は構造計算の上、一部石を取り除いて内外の境界線をぼかしています。
一番小さい石蔵は石の茶室。
中はかなり本格的。もっとも博学な隈氏のことなので、これもパロディだというかもしれませんが・・・。
天井の採光も石を薄く切って光を入れています。
たくさんの細い柱は石を焼くことにより、素材感を変えて作っています。
石の茶室の隣の蔵は・・・
中に入ると薄く切った石から光が漏れてくる仕掛けです。
馬頭広重美術館と同様、ここでも来ないと分からない体験ができる仕掛けが充実しています。
ここでの試行錯誤が後に隈氏の飛躍につながったことがよく分かります。広重美術館と同様、氏の建築を語る上で外せない逸品です。★★
建築図鑑108★★何もないけどそれがいい「那珂川町馬頭広重美術館」 – 博司のナンコレ美術体験2019年4月11日 6:02 PM /
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