東京都新宿区の新宿NSビルを見てきました。
設計は日建設計。
外観は都庁をはじめとする高層ビル群が立ち並ぶ新宿副都心の中では最も地味です。
背も(周りと比べてですが)低く、ずんぐりむっくりしてスレンダーな周りのビルから逆に浮き上がっています。
設計を担当した日建設計の林昌二氏は外観はゴールドにしたかったとか。
ただ中に入ると印象は一変。
1階から屋上まで全て吹き抜けで構成されています。
上から見たところ。
天井のガラスはまぶしさを抑える特別製の日射調整トラスです。
ライトも仕込まれており、幻想的な光景を作り出しています。
壁に掛かった巨大な時計も特徴的です。
この空間は各種イベントにも利用されています。写真は新宿クリエイターズフェスタの時のものです。
最上階近くではブリッジが架かり、吹き抜けを上から見ることができます。
ブリッジより。
抜きぬけにしたことによりオフィスの面積は相当減ったはずですが、新宿の高層ビルの中ではレンタブル比は最も高く、収益率は高いとのこと。
階数ごとに別れたエレベーターの頂部は休憩室になっており、原広司みたいな雲のような造形になっています。
建物の中に都市を埋め込むという原広司氏の発想に近いので似てきたのでしょうか?
内部の壁も外壁に似せることでビルの中なのに外っぽい雰囲気を演出しています。
最近は単なる優等生になってしまいましたが、この頃の日建設計は技術とデザインが両立した優れた仕事が多かったように感じます。
都庁のすぐ脇なので観光のついでにも是非。★★★
死ぬまでに見たい100の建築 – 博司のナンコレ美術体験2019年6月8日 8:50 AM /
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