• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★大掛かりなインスタレーションが面白い Media Culture in Asia

表参道ヒルズ スペース オー、ラフォーレミュージアム原宿MeCA|Media Culture in Asia: A Transnational Platform【2018年2月9日(金)~ 2月18日(日)】を見てきました。

国際交流基金アジアセンター主催のメディアアートの展覧会です。会場は2か所に分かれています。

Kawita Vatanajyankur「SERIES:TOOL/Work」

ラフォーレミュージアムの入り口にあるのはタイ人作家の作品。女性と、家事や労働をテーマにした作品とのことで、作者自身が出演してます。

ポップな色使いながら結構過酷なパフォーマンスで、ユーモアを交えながらも女性の置かれた立場の厳しさを訴えています。

平川紀道「datum」

ラフォーレミュージアムのほうは何といっても平川さんの展示がメインです。会場の高さギリギリの巨大スクリーンに植物、岩山、海岸、天文台などの写真が大写しになり、写真のピクセルが3次元の全方向に向かって激しく離散集合を繰り返します

音は暴風雨のような大音響に混じって鳥の鳴き声なども聞こえます。何気ない風景が轟音を立てて崩れていく様は当然のものと受け入れてきた事物もふとしたきっかけで崩壊することを告げているように感じます。


Philippe Gordiani、illaume Marmin「TIMEE」

表参道ヒルズの方は、こちらのインスタレーションがすごかったです。暗闇の中で300もの穴を通して光が投射され、空間に満たされた煙に反射します。同時に現代的な音楽が鳴り響き、宇宙創成に立ち会っているかのような感覚に包まれます。

坂本龍一、高谷史郎「water state1」

他には、坂本、高谷両氏の作品も印象的でした。

落下する水の波紋と現代音楽を組み合わせた作品で、こちらも非常に雰囲気がありました。

 

展示数は多くないですが、じっくり見るに値する作品が多いので、入場料払う価値も十分あると思います。


MeCA|Media Culture in Asia: A Transnational Platform(通称:ミーカ)
会期:2018年2月9日(金)~ 2月18日(日)[10 日間]
会場:表参道ヒルズ スペース オー、ラフォーレミュージアム原宿、Red Bull Studios Tokyo、WWW、WWW X、ほか

コメント一覧

やりっぱなしの展覧会「科学と美術」 – 博司のナンコレ美術体験2018年3月13日 8:33 AM / 返信

[…] ただ音もなく画質も荒いので、依然の作品のような迫力はなかったです。 […]

★「六本木クロッシング2019展:つないでみる」 – 博司のナンコレ美術体験2019年2月17日 12:08 AM / 返信

[…] 青野文昭氏や平川紀道氏の作品に再会できたのは収穫でした。もっとも空間演出がない分、個展で見たときほどの衝撃はなかったですが。 […]

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