• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★馴染まない国際基準「MOTコレクション ただいま / はじめまして」

東京都現代美術館(江東区)のMOTコレクション ただいま / はじめまして【2019年03月29日(金)〜06月16日(日)】を見てきました。

 

3年間の休館を経てリニューアルオープンした東京都現代美術館。企画展が戦前作品を多く扱う関係と、3年間というインターバルの関係か、常設展は新収蔵の若手作家の展示がほとんどです。

次点.末永史尚

末永史尚「折り紙モール」

企画展のほうでも大量出品されていた作家さんです。パステルカラーなパーツを組み合わせ、展示室をデコレーションした作品です。

昨今女子高生の間で流行っているマスキングテープのデコを思い浮かべます。

サイズも形も自在に変えることができ、これはその最大の大きさの作品です。

5位.サイモン・フジワラ

サイモン・フジワラ「あるマスクのためのパヴィリオン」

東京オペラシティギャラリーで個展もあったフジワラ氏。

難解な作品が多いのですが、こちらは建築模型の作品。

豊島美術館みたいな形ですが・・・

反対側に回るとスターリンのマスクが。

共産圏では必ずしも冗談にならない実現しそうな建築です。

一方造形的にはマスクが壊された巨大スターリン像の残骸に見えたり、スターリンが布団で寝ているようにしか見えなかったり、色んな楽しみ方がありそうです。

 

4位.今井俊介

今井俊介「Untitled」

こちらも色んなところで見かける作家さんです。

パソコンからストライプのパターンを印刷し、その紙を折り曲げて波や立体感を出します。

それをそのまま立体感を消してカンヴァスに写し取るという手法で描かれています。

ブリジット・ライリーにも似た手法です。

今井俊介「Untitled」

お菓子の包装紙のように見える楽しげな画面構成ですが、その制作過程は描くというより多分に作業的です。

カンヴィンスキーやモンドリアンも現代ならそんな描き方をするかも。

3位.荻野僚介

荻野僚介「w2018×h871×d48」

こちらも似たような傾向を持つ作家さんです。

荻野僚介「w1571×h771×d25」

やはり平板な図像の組み合わせのみで画面を作っています。

タイトルは全て横、縦、厚みの長さでつけられています。

側面にも鮮やかな色が塗られているのも特徴です。

荻野僚介「w1341×h1565×d39」

側面を活用することで、映像やインスタレーションなどのメディアに対抗する意図が見られます。

この作品も画面中央から広がる光が側面に達しているように見えます。

 

2位.寺内曜子

寺内曜子「ホットライン」

極太の電話ケーブルを引き出しただけの作品なのですが着眼点が面白かったです。

寺内曜子「Untitled」

他の作品も神の裏表を赤と青に塗って裏返すという作品があったり、物事の裏面や中身に関心を持った作家さんなのかもしれません。

 

1位.マーク・マンダース

マーク・マンダース「音のないスタジオ」

部屋の中央に建築現場の塗装で用いるようなビニールが貼られています。

中は製作途中の石膏像が置かれ、アトリエのようになっています。

マーク・マンダース「椅子の上の乾いた像」

作品は製作中に見えますが、これで完成らしいです。

虚構と現実の境界がテーマらしいですが、難解でよく分かりません。

マーク・マンダース「すべての単語(黄色を含む)」

脇に置かれた新聞の作品です。

これもデタラメな文字の羅列で、やはり虚構性がテーマになっています。

マーク・マンダース「パースペクティブ・スタディ」

こちらも日付も写真もない新聞です。

SFの平行世界を感じる、不思議な作品でした。

 

いくつか面白い作品もあったのですが、全体的になんとなく馴染めない感じ。ニューヨークの現代美術館で感じるようなハイブロウな感じはリニューアルしても変わりませんね。★

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