群馬県立館林美術館に行ってきました。
設計者は高橋 靗一氏。
主な設計建築は1階にたいして上階が四方に飛び出しまくってる佐賀県立博物館など。
フランソワ・ポンポンのシロクマ彫刻を目玉としてる美術館ですが、建ってる場所はそれとは何の関係もない多々良沼のある平野。
にも拘わらずほとんど平屋建てなので、近くに行ってもなかなか建物の全体が見えてきません。鉄塔の左に建物があるのですが、ほとんど見えません。
現地に行っても展望台が2階分しかないので・・・(1階は自販機とトイレ)
そこから見た眺望もこんな感じです。
平面図で見ると弧を描いた長い廊下に箱型の建物と半月状の建物がくっついているのが分かります。
エントランスに置いてある模型で見るとこんな感じ。ちなみに展望台は写真手前側、川のこちら側にあります。
アプローチもこの長い円弧上の廊下の延長線上にあります。
こんなエントランスは他にないです。
エントランス脇にあるバリー・フラナガン氏の「鐘の上の野兎」。予算の都合で野外彫刻はこれ1点のみです。
エントランス周囲。ここだけはフツーです。
展示室、ショップ、レストランもこの円弧を通っていきます。
ショップとレストランに至っては円弧の中に含まれているという徹底ぶりです。
こんなヘンな建物になったのは建物を背後の赤城山から吹き降ろす風「赤城おろし」を防ぐ防風林の役割を期待したせいだそうです。
そのおかげもあり美術館正面の原っぱは住民の憩いの場として大いに活用されているようです。
これ1点だけでもこの建物は成功したといえると思います。
円弧の廊下と半月の彫刻展示室を結ぶ部分。仕上げを彫刻展示室と揃えるなど空間演出が細かいです。
円錐を逆さにして地面に埋め、一部を切り取った形状をしており、実は複雑な作りです。
周りに水盆があるので水辺に浮かぶ島や船をイメージしたのでしょうか?
ポンポンの再現アトリエは本館とは切り離され、しかも木々に覆い隠されています。高橋氏も唐突はポンポンの登場に戸惑ったのではないでしょうか?
群馬県と言えばの群馬県立近代美術館やハラ・ミュージアムアークなど実質磯崎新氏の地盤になっていますが、本建築の方が土地になじみかつ他にない建築になっていると思うのですがどうでしょうか?★★
★★建築図鑑128 石はもう飽きた?「宇都宮美術館」 – 博司のナンコレ美術体験2019年5月25日 9:36 AM /
[…] この美術館はバブル崩壊後に建てられた美術館なので、館林美術館同様、予算が不足したのかもしれません。 […]