2019年2月20日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★建築図鑑88 巨大カプセル「ビッグボックス」

東京都新宿区のビッグボックスに行ってきました。
設計は黒川紀章氏。
高田馬場駅前にある商業施設です。
中銀カプセルタワービルがほとんどJRから見えないので、おそらく唯一山手線から見える黒川建築です。
JR高田馬場駅のホームから見たところ。
西武線とは直結してます。
駅と反対側の側面を見たところ。
機械っぽさを強調したデザインは後の大阪国際会議場などにも見られます。
後ろから。
どちらから見ても窓が一切なく、グレーの柱に支えられた青い箱という特徴は変わりません。
入居するテナントは1、2階が各種物販。3~5階がフィットネスクラブ、6階がゲームセンター、7階がカラオケ、8階がボーリング場、9階が飲食店街となっています。
1974年の竣工当初は9階は音楽スタジオになっていました。
当初から純粋なエンターテインメント施設だったことが分かります。
設計上の特徴は四方の柱のみで建物を支える無柱空間を実現していることです。
これは初期段階の設計では3~9階を全てボーリング場にする予定だったためです。
全210レーンにする予定でしたが、建設中にボーリングブームが急速に下火に。
現在のような複合ビルになりました。
そう考えてみてみると、ゲームセンターにも謎の段差が。
これもボーリング場の名残なのか?
竣工からかなりの年月が経っているので、どこまで黒川氏の意匠が残っているのか不明ですが、手狭の階段の天井照明は黒川氏らしい?
1階入り口前は竣工当初は木が植えられ、市民の憩いの場になってました。
福岡銀行本店で発揮された中間領域があった訳ですが、現在はイベントスペースになってしまってます。
中央のコカ・コーラの広告は当初杉浦康平氏のデザインした絵が描かれていました。
この絵は自在に差し替え可能だったようですが、現在は稼働していません。
また竣工当初は赤地に白い柱でした。
ボーリングブームが急速に去ったことにより、黒川氏はブームに影響されない設計を考えたに違いありません。
そのためそっけない外観に自在に差し替え可能なボードが生まれました。
建物の外観からは中身が伺えない完全なブラックボックスで、自由にテナントを入れ替えることができます。

そう考えると​これも一種の巨大なカプセルとみなすことができ、商業施設でも黒川さんの理論が健在であることが証明された建物です。

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