2019年2月16日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★建築図鑑77 中二病と合理性「物質試行20 麻布EDGE」

東京都港区の物質試行20を見てきました。

 

設計は鈴木了ニ氏。あまり大きな建物は設計していないようで、案外超一等地に建つ本建築ぐらいが代表作になるのかも。

乃木坂方向から見ると、すぐ後ろには六本木ヒルズ。

ヒルズより本建築の方が先輩ですが、すっかり飲まれてしまい、道路向かいに建っているのに全く目立ちません。

新建築1987年7月号より

外観的特徴は外部階段とそれを境界に表面が変化していること。

バブル期、ポストモダン絶頂の中二病的デザインが魅力です。

似たような建物は

ドーリック

WEB

ジュールA

M2

 

等がありますが、これはその最たる例です。

外観は鈴木氏によると、日本では珍しくないこととはいえ、台形状の土地に加えて、隣地との間隔の上で建物上部を削らないといけない部分があり、そのため室内と換算されない外部非常階段を建物にらせん状に巻きつけたとのこと。

1階部分が地面から0.5階下がった不思議な高さにあります。
これもテナント料増加を狙った設計らしいです。
このキレキレのデザインの割には結構入居者がいるみたいです。
使いにくそうですが、意外とウケはいいのかもしれません。
水平方向だけでなく、縦方向にも亀裂が走っています。
隈研吾氏のM2といいこの頃はこういうのが流行っていたんでしょうか?
一階はほとんどテナントがなく、通り抜け可能です。
 
今となっては貴重なバブル的空間が体験できます。
隙間風がめっちゃ入ってきそうですね。
壁だけでなく、床の仕上げも無意味に複雑です。
外部階段は解放されているので登っていけます。
建築探偵的には大満足な建物。

​見た目も動線も荒々しい。

安藤忠雄氏の大阪府近つ飛鳥博物館にはない緊張感のある階段体験です。

 

通常みることのできない高層階の外壁仕上げが間近に見れるのは面白いです。

壁から鉄骨やらベランダやら色々飛び出しており、遊び心が見られます。

 

唐突に途切れる外部階段の最上部からの見晴らし。ビル入居者はこの景色を楽しんでいるのでしょうか?

階段の複雑なつくりもよく分かります。

階段奥の赤いビルは別の建物です。

 

日本の伝統美からすると真っ向から対立する軽薄なデザインですが、これはこれで面白いです。

この混沌とした建物こそ現代の日本の都市美なのです。★★

 

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