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★★★ベラボーなエネルギー「第22回岡本太郎現代芸術賞」

神奈川県の川崎市岡本太郎美術館「第22回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」【2019年2月15日(金)-2019年4月14日(日)】を見てきました。

世に芸術の〇〇賞なるものはいっぱいありますが、素人から見て納得のいく賞はあんまりないです。

なんでこれが大賞なの?というものがほとんどな気がします。

その中ではこの岡本太郎現代芸術賞はもっとも一般の目線に立った賞な気がします。

審査員も岡本太郎さんのリスペクトがあるせいか、ベラボーな作品が多くみられました。

去年の展示で出品された作家さんの中にはその後個展などで活躍されている方もチラホラいます。

 

特に面白かった作品をピックアップしてみます。

 

7位.革命アイドル暴走ちゃん「暴走の肉塊」

去年もこんなオタクの汚部屋みたいな展示ありましたね。それだけオタク文化とアートが接近しているということでしょうか?

見に来てるお客さんもなんとなくここは避けているかのように見えるのがちょっと面白かったです。確かにこれがアートと言われるとちょっと違うような・・・

でも太郎さんリスペクトなメッセージは結構あったりします。

中ではオタクのコンサート映像が延々と流れていました。

太郎さんの懐の深さを一番示す作品かも知れません。

 

6位.風間 天心「Funtasia」

原色の住職さんの作品。

平成最後の展覧会にふさわしく、「平成」を供養に出す作品です。

会期中にはここで各種の儀式も行われるようです。

水引を大量に使った作品は非常にインパクトが強いのですが、過去に見ていた作家さんなのでこの順位に。

5位.田島 大介「無限之超大國」

こちらも過去に見たことのある作家さんです。

世界貿易センターの設計者、ミノル・ヤマサキは「高層ビルは足元と頂点しかデザインするところがない」といったそうですが、この絵も屋上の広告以外は全くといってもいいほど同じデザインのビルが無数に立ち並びます。

SF的光景ですが、香港とかだと既にこんな感じかも。

クールなAKIRA的未来予想図は絵としてはカッコイイですが、いずれ東京もこうなるかも・・・

 

4位.宮内 裕賀「イカ生」

イカにまつわる諸作品を並べたインスタレーションです。

この作家さんはイカしか描かない人らしいです。

イカ墨で書いたというこちらがメイン。

まるでイカが田畑の実りをもたらす神のように君臨しています。

今回の展覧会で一番のキャラ立ちでした。

個展があったら見に行きたいです。

 

3位.吉田 絢乃「レイヤー」

古代から現在に至るまでのコミュニケーション手段を積層化した作品です。

下の方は象形文字みたいなのが見えます。

数字以降はコミュニケーションはデータ化されたという意味かも知れません。

一番上はLINEのやり取りを示しており、そのすぐ下はその顔文字です。

しわしわのキャンバスに描いており、下には足(?)もつけています。情報が一人歩きするという意味でしょうか?

本店の中では小さい作品ですが、地層のような抑えた色合いといい、キャンバスの厚みといい、存在感抜群の作品です。

 

2位.田中 義樹「SUPER OLYMPIC」

森美術館が猫のオリンピックなら、こっちは犬のオリンピックだ!ということでしょうか?

が、整然と更新する猫オリンピックに対して、こっちは太郎さんらしい展開。

お寺城(?)は燃えているし、ドックフードは出しっぱなしだし。

余ってしまった犬たち。

お城に見えるものは実は3つの建物を合体させたもの。

しかし建物を積んでいるだけなので、上の建物は傾いています。

作者のコメントにある通り上のは金閣寺。しかしその下の二つは一つは銀閣寺でしょうが、もう一つは・・・

場当たり的な造形がステキです。

形状は会田誠氏の乞食城を思い出します。

 

1位.檜皮 一彦「hiwadrome:type ZERO spec3」

まさにベラボーな作品が大賞を受賞です。

形態は車いすを積み上げて、グルグル回る照明を取り付けたもの。

周りの壁にもペンキが塗りたぐられ、映像作品が飾られています。

計算された作品にも見えますが、作品の内容は会期中にも即興的に変化していっているようです。

このライブ感も太郎賞にふさわしいです。

お上品で意味深な現代アートをぶち壊すパワーを持った作品が集まっています。

お高く留まったアートが嫌いな人は是非見てほしいです。★★★

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