今回は大分県の大分アートプラザに注目してみたいと思います。
設計はハラ・ミュージアムアークや群馬県立近代美術館と同じく磯崎新氏。彼は大分出身で、市内には他に県立図書館と視聴覚センターが現存しています。
外観は磯崎氏の初期の建物に現れる特徴が前面に出ています。建物から飛び出した不必要なまでに巨大な梁や、
建物の途中でぶった切られたかのような表面処理・・・
スロープによる複数の導線確保などがあります。
1966年竣工で、当初は県立図書館でした。手狭になり新館建設を機に取り壊されるところでしたが、ギャラリー、磯崎氏の建築模型などを展示する空間として復活しました。人気はないですが、古い割にはきれいに保存されています。
外観もユニークですが、内部もかなり変わった配置です。建物中心の吹き抜け大空間を60’sホールとし、その脇を市民ギャラリーとしています。上層階は建物をぐるっと回る展示室で、磯崎氏の建築模型などが見れます。
外観からは想像できませんが、階段やスロープは鮮やかな色で塗り分けれてます。
60’sホールとは磯崎氏と親交のあったネオダダオーガナイザーズというアーティストグループの作品を展示する空間です。このようなスペースは全国でもここしかなく、大変貴重です。建物も含めて日本の青春を振り返る展示になっています。
磯崎氏の展示室は美術館の模型が多く、その在り方の変化を俯瞰できます。初期の群馬県立近代美術館はホワイトキューブでしたが・・・
中期の西脇市岡之山美術館など展示室が作品にあった専用空間化し・・・
後期の奈義町現代美術館になると展示室自体が作品と化します。
展示室には視線が外部に抜ける所がたくさんあります。好奇心を刺激する良い設計だと思います。
大分市は市立美術館や県立美術館も建物、展示がユニークで、ちょっとした美術館巡りができます。その際はこちらも是非ルートに入れてほしいところです。★★
★★破壊も再生もアートが絡む「カタストロフと美術のちから展」 – 博司のナンコレ美術体験2018年11月11日 11:28 AM /
[…] 惨劇を淡々と撮影したものですが、宮本氏はその後磯崎新氏と組んで国際展で神戸の瓦礫と写真を撮るなどして活躍することになります。震災をきっかけに名を上げることになったのは本人にとって良かったのでしょうか・・・? […]