2018年も3か月が過ぎました。既に数々の好企画展が開催されたので、ここらでまとめて紹介してみたいと思います。
東京藝術大学の学生の企画展ですが、ここ数年の話題作家を集めつつ、身体性と物質というテーマでうまくまとめています。看板をグラフィティで塗りつぶすなど、自由な発想にも注目です。
北欧で活躍する日本人作家の国内初個展。可愛さの中にも毒を含んだ作風が魅力です。展示方法も自由が溢れています。
東京造形大学の学生による山手線の車内広告をジャックした展覧会です。東京や車内広告ならではの作品が楽しいです。
造形力の不足を逆手に取った2.5次元的違和感だらけの不可思議ワールドに引きづり込まれます。
兎に角ド肝を抜かれた展示でした。長借の映像作品に見入ってしまい、スパイラルの展示では異例なまでに充実してました。
「全貌」に偽りなく、みうらさんの世界観を余すことなく紹介する意欲的な展示でした。
パリのポスター画家の過去最大の国内巡回展。圧倒的に巨大なポスター群は見ごたえがあります。解説も丁寧で会場も作り込まれており、スタッフのサヴィニャックへの愛を感じます。
展示のセンスには定評のあるオペラシティギャラリーでも出色の出来。詩人を美術館で視覚的に展示するという難しい課題に見事にこたえてくれました。
通常版画は油絵や彫刻より低くみられますが、その廉価さや量産性を逆手に取って版画の普及に努めた「運動」自体の展示を試みています。会場には版画の楽しさを伝える仕掛けが色々仕掛けられていました。
会田誠の都内の展示としては2012年の森美術館以来の規模です。軽妙な作品の数々は健在ながら、「都市」という極めて深刻なテーマにも同時に取り組んでおり、名実ともに国内代表作家の貫禄です。
6年ぶりの会田誠氏の都内大規模個展が最大の「事件」ですが、こうして並べて見ると学生など、若手の展示が3つも入っており、若手の型破りな展示に面白いものが多かったです。
また無料展示は6つに及び、従来の美術館的枠組に収まらない展示に好企画が集中していました。ただし回顧展的大型企画も良いものが多く、どちらも今後の展示に期待できそうです。